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深刻化するマイクロプラスチック問題

2021.08.25

 現在、世界の海には約1億5000万トン以上のプラスチックごみが存在し、年間約950万トンのペースで増加しているといわれています。こうしたプラスチックごみは海中で消えることなく漂い、様々な問題を引き起こしています。「ウミガメの胃からレジ袋がでてきた」「水鳥が破れた漁網に絡まった」といった野生動物への問題に加え、近年心配されているのがマイクロプラスチック問題です。マイクロプラスチックとは5mm以下の微小なプラスチックのことで、魚や貝の体内から相次いで発見されており、それらを食する人体への影響についても懸念が広がっています。

 このマイクロプラスチックには、海洋中を漂うプラスチックが波や紫外線により次第に微小化したものに加え、合成繊維の洗濯やタイヤの摩耗により発生し海へと流れ出たものも含まれます。意図的に海へと廃棄されたものだけでなく、我々が普通に生活しているだけで知らないうちに海へと放出されるプラスチックごみが存在するのです。ポイ捨てをやめたところで、日常生活でプラスチックを使い続ける限りゼロにはできない、どうしたらよいのでしょうか?

 解決策の一つとして、使用するプラスチックを生分解性のものへと変換することが挙げられます。2018年に承認されたG7海洋プラスチック憲章には、リユース・リサイクルに関する数値目標やライフスタイルの変化に加え、研究・イノベーション・技術の項目が含まれました。これからの海の豊かさを守るため「新しい革新的なプラスチック素材の開発」が求められています。バイオベースマテリアル学専攻では、生分解性バイオマスプラスチックをはじめとする環境にやさしい素材の開発を目指し、日々、教育研究に取り組んでいます。

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