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レジ袋有料化から考える地球にやさしい素材

2021.08.25

 2020年7月、日本でプラスチック製買物袋(いわゆる、レジ袋)の有料化が始まりました。環境問題に積極的なヨーロッパでは、例えばイギリスは2015年から、オランダは2016年から有料化が始まりました。フランスは2016年から使用を禁止しました。実は2018年の時点で世界の60か国以上がレジ袋を有料化または禁止などの規制をしています。プラスチックゴミの総量に対してレジ袋が占める割合は、日本では2%程度と言われており、レジ袋の有料化がプラスチックゴミの削減に与える直接的な効果は大きくないかもしれません。しかし、レジ袋の有料化は私たちがプラスチックの問題を考えるスタートと思ってみてください。石油から作られるプラスチックの大量生産・廃棄を日本全体で考えるきっかけとして、レジ袋の有料化が始まったと思ってみてはいかがでしょうか?

 現在、日本ではバイオマス素材を25%以上含むレジ袋は有料化の対象外です。バイオマスとは動植物などの再生可能な有機資源のことです。バイオマスを原料に作られるプラスチックは「バイオマスプラスチック」と呼ばれ、二酸化炭素の排出削減、すなわち地球の温暖化抑制に貢献できる地球にやさしい素材です。一般的なレジ袋はポリエチレン製ですので、バイオマス素材を25%以上含むレジ袋とは、原料のエチレンの25%以上をデンプンなどのバイオマスから作っているということです。この他にも、ペットボトルの素材であるポリエチレンテレフタレートも原料の一部にバイオマスを使っているものが増えてきており、バイオマスプラスチックが既に私たちの身の周りに浸透してきています。

 私たちが地球に負荷をかけず、持続的な発展を続けていくためには、地球が数億年かけて作る石油などの化石資源の浪費から脱却し、バイオマスを最大限有効利用することが解決策のひとつです。バイオベースマテリアル学専攻ではバイオマスプラスチックをはじめとする地球にやさしい素材の開発を目指して、日々、教育研究を行っています。

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